2012年の認知症高齢者数は305万人


厚生労働省の発表資料によると、2012年の認知症高齢者数(日常生活自立度Ⅱ※以上)は推計で305万人になるそうです。 65歳以上人口に対する比率は約10%であり、65歳以上の10人に1人は認知症を患っている計算になります。 (※日常生活自立度Ⅱとは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意すれば自立できる状態。)


なお2002年の報告では認知症高齢者数は149万人であり、この10年間で約2倍に増えたことになります。 この背景には、高齢化と受診率増加が影響していると思われます。
詳細は下記URLに記載されています。
認知症高齢者数について(平成24年8月24日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1-att/2r9852000002iavi.pdf
認知症の治療薬といえば、まずはアリセプトが思い浮かびますが、最近はアリセプト以外にもいくつか新薬が販売されています(下記参照)。 但し、いずれも根本的に認知症を治すというわけではなく、進行を抑えるにとどまります。
認知症は、変性性認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)と、脳血管性認知症(脳梗塞など脳の血管の異常が原因で起こる認知症)に分類できます。 この中では、アルツハイマー型認知症が最も多いようです。 また、65 歳未満で発症する認知症は若年性認知症と呼ばれています。
アリセプト(ドネペジル塩酸塩、Donepezil Hydrochloride)
作用:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用。
効能・効果:アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。
メマリー(メマンチン塩酸塩、Memantine Hydrochloride)
作用:グルタミン酸受容体サブタイプの1つであるN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体拮抗作用。
効能・効果:中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。
レミニール(ガランタミン臭化水素酸塩、Galantamine Hydrobromide)
作用:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用、及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)へのアロステリック増強作用(APL 作用)。
効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
イクセロンパッチ(リバスチグミン、Rivastigmine)
作用:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)、及びブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)の阻害作用。
効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
関連ページ: 
・アリセプト期間延長 平成21年(行ケ)第10423号… 審決取消請求事件
・メマリー:NMDA受容体拮抗型のアルツハイマー型認知症治療薬の発売
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