優先日後発行の2nd Editionの書籍は新規性欠如の引例にならないと判断された事例


<判決紹介>
■コメント
1st Edition
の書籍が優先日前に発行されていたとしても、優先日後に発行された2nd Editionの書籍は新規性欠如の引例にならないと判断された事例。 ☆
■判決抜粋
平成25年()第14214号 損害賠償請求事件、東京地方裁判所民事第46
2
争点に関する当事者の主張

(被告らの主張)
本件特許には以下のとおり無効理由があるから,原告は本件特許権を行使できない。

イ 新規性欠如
書籍「Tuning Fork Therapy Level Three Manual」(Second Edition 2007)(乙3241。以下「乙32文献」という。)には,本件発明と同じ構成が開示されているところ,上記書籍の初版にも同様の記載がある。
上記書籍の初版は遅くとも平成121231日までに頒布されていたから,本件発明は,優先日前に外国において頒布された刊行物に記載された発明であって,新規性を欠く(特許法2913号)。

3 当裁判所の判断
3
本件特許の無効理由の有無(争点3)について

(2)
新規性欠如
被告らは,平成12年に頒布された「Tuning Fork Therapy Level Three Manual」の初版に,その第2版(Second Edition)である乙32文献と同じ内容の記載があることを前提に,本件発明が新規性を欠くと主張する。しかし,書籍が改訂された場合には記載内容が一部改められるのが通常であり,上記初版の記載内容と乙32文献の記載内容が同じであったことを認めるに足りる証拠はない。したがって,被告らの主張は前提を欠くというほかない。



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