食品の用途特許が認められる日は近い!


下記の配布資料によると、4月中を目処に、食品の用途特許が認められるようになりそうです。
トクホや機能性表示食品の普及により、食品にも用途特許が認められる理由ができてきたということだと思います。これで食品業界からの特許出願が増加すると思われます。用途特許って権利範囲がグレーなところがありますが、侵害訴訟でどのように判断されるか楽しみです。
▼産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会第8回審査基準専門委員会ワーキンググループ 配付資料
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/
new_shinsakijyun08_shiryou/03.pdf

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1. 第7回審査基準専門委員会WGにおける審議結果
(2)請求項の記載形式
請求項の記載形式については、今般の食品の用途発明に関する審査基準の点検の必要性及び食品以外の分野との整合性を考慮し、案1を採用する。
案1 「成分Aを有効成分とする○○用。」、「成分Aを有効成分とする○○用組成物。」、「成分Aを有効成分とする○○用食品組成物。」、「成分Aを有効成分とする○○用ヨーグルト。」のような請求項の記載形式について、用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有するものとして認定する
2. 請求項中に用途限定が付されていても、用途限定のないものとして解釈される植物・動物の発明について
(具体例)
用途限定のないものとして解釈される発明
「○○用バナナ。」、「○○用生茶葉。」、「○○用サバ。」、「○○用牛肉。」
用途限定のあるものとして解釈される発明
「○○用バナナジュース。」、「○○用茶飲料。」、「○○用魚肉ソーセージ。」、 「○○用牛乳。」
3. 改訂審査基準の運用開始時期について
改訂審査基準案は、従前と同様、パブリックコメント手続(意見公募手続)にかけて、その後、4月中を目途に改訂審査基準の運用開始を目指す。
改訂審査基準は、運用開始日以降の審査に適用する。
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なお、現在の審査基準には以下のように記載されています。
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3.1.2 用途限定が付された物の発明を用途発明と解すべき場合の考え方
(2) 請求項中に用途限定があるものの、請求項に係る発明が用途発明といえない場合
未知の属性を発見したとしても、その技術分野の出願時の技術常識を考慮し、その物の用途として新たな用途を提供したといえない場合は、請求項に係る発明は、用途発明に該当しない。審査官は、その用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有しないものとして、請求項に係る発明を認定する(例2)。請求項に係る発明と先行技術とが、表現上、用途限定の点で相違する物の発明であっても、その技術分野の出願時の技術常識を考慮して、両者の用途を区別することができない場合も同様である(例3)。
例2:成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト
(説明) 確かに、「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」は、骨におけるカルシウムの吸収を促進するという未知の属性の発見に基づく発明である。しかし、「成分Aを添加したヨーグルト」も「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」も食品として利用されるものであるので、成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」が食品として新たな用途を提供するものであるとはいえない。したがって、審査官は、「骨強化用」という用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有しないものとして、請求項に係る発明を認定する。なお、食品分野の技術常識を考慮すると、食品として利用されるものについては、公知の食品の新たな属性を発見したとしても、通常、公知の食品と区別できるような新たな用途を提供することはない。
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