カゴメ 対 伊藤園の訴訟を朝日新聞が報道し、ネットで話題になっています。▼Yahooニュース
カゴメ、伊藤園を提訴 トマトジュース製法特許めぐり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170302-00000088-asahi-soci
記事を読むに、経緯は下記のようです。
①伊藤園のトマトジュースに関する特許が2013年に登録された。
②カゴメが無効審判を請求した。
③特許庁が有効審決をした。
④カゴメが知財高裁へ審決取消訴訟を提起した。
特許番号は報道されていませんが、おそらく下記と思われます。
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・特許5189667
・登録日:2013.2.1
・出願日:2011.4.20
・発明の名称:トマト含有飲料及びその製造方法、並びに、トマト含有飲料の酸味抑制方法
(登録時)
【請求項1】
糖度が7.0~13.0であり、糖酸比が19.0~30.0であり、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が、0.25~0.60重量%であることを特徴とする、
トマト含有飲料。
【請求項8】
少なくともトマトペースト(A)と透明トマト汁(B)を配合することにより、糖度が7.0~13.0及び糖酸比が19.0~30.0となるように、並びに、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が0.25~0.60重量%となるように、前記糖度及び前記糖酸比並びに前記グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量を調整することを特徴とする、
トマト含有飲料の製造方法。
【請求項11】
少なくともトマトペースト(A)と透明トマト汁(B)を配合することにより、糖度が7.0~13.0及び糖酸比が19.0~30.0となるように、並びに、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が0.25~0.60重量%となるように、前記糖度及び前記糖酸比並びに前記グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量を調整することを特徴とする、
トマト含有飲料の酸味抑制方法。
(訂正後)
【請求項1】
糖度が9.4~10.0であり、糖酸比が19.0~30.0であり、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が、0.36~0.42重量%であることを特徴とする、
トマト含有飲料。
【請求項8】
少なくともトマトペースト(A)と透明トマト汁(B)を配合することにより、糖度が9.4~10.0及び糖酸比が19.0~30.0となるように、並びに、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が0.36~0.42重量%となるように、前記糖度及び前記糖酸比並びに前記グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量を調整することを特徴とする、
トマト含有飲料の製造方法。
【請求項11】
少なくともトマトペースト(A)と透明トマト汁(B)を配合することにより、糖度が9.4~10.0及び糖酸比が19.0~30.0となるように、並びに、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量の合計が0.36~0.42重量%となるように、前記糖度及び前記糖酸比並びに前記グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量を調整することを特徴とする、
トマト含有飲料の酸味抑制方法。
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本件特許の実施例には、12人のパネラーによる官能評価の結果が記載されています(評価は下の6行です)。報道記事によると、
「カゴメ側は2日の弁論で「『濃厚な味わい』などの具体的な定義が不明で、裏付けるデータも少ない」と主張。伊藤園側は「トマトジュース市場に新たな分野を開拓した、意義がある発明だ」と反論した。」
そうです。
審決をざっと見た感じでは、実施可能要件/サポート要件違反の主張の中で濃厚な味わいを問題にしているようです。
話がずれますが、じつは私はトマトがあまり好きじゃないので、トマトジュースは基本飲みません。野菜ジュースはできればトマトっぽい味の無い(薄い)ものが好みです。
以前、野菜汁100%と書いてあるものをいくつか飲み比べてみたことがあるのですが、伊藤園の「1日分の野菜」がトマトっぽい味が薄くて飲みやすかったです。と、トマト嫌いの偏った立場からみると、「濃厚な味わい」じゃない方がよいような気もします。むしろ参考例7の方が甘みがあっていいんじゃないかっていう。。。
ググってみたところ、「濃厚なトマトジュース」、「・・・のトマトジュースは濃厚です。」みたいな記事がたくさんヒットしました。どうやらトマトジュース業界では「濃厚」って推しキーワードのようです。
なるほど。<3月22日追記>
カゴメ 対 伊藤園のトマトジュース特許訴訟
下記のカゴメのニュースリリースによると、5/16発売予定だった野菜ジュースの発売が10/3に延期になったらしいです。
このタイミングなのでまさかと思って見てみましたが、理由は”現在、トマトジュースの需要が急拡大しており、商品供給能力を大幅に上回る受注に対して、十分な出荷ができない状況となっております。”とのこと。!http://www.kagome.co.jp/company/news/n_pdf/170322999.pdf
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