ハーセプチン用法特許の無効審判事例 ~後出しデータの参酌の可否~

<審決紹介>
・無効2016-800021
・審決日:20161227
・合議体:審判長 特許庁審判官 内藤伸一、審判官 渡邉潤也、審判官 齋藤恵
・請求人:セルトリオン・インコーポレイテッド
・被請求人:ジェネンテック,インコーポレイテッド
・特許5623681
・発明の名称:抗-ErbB2抗体による治療

■コメント
前回のブログでハーセプチンの用法用量をカバーする特許の無効審判をご紹介しましたが、今回はハーセプチンの用法をカバーする別の特許に対する無効審判をご紹介します。
時期は今回の審決日が20161227日なので、少し前の事例になります(前回紹介した無効審判の審決日は201775日です)。請求人、被請求人は同じです。
争点は、新規性、進歩性、原文新規事項です。
下の画像で進歩性について簡単に解説しています。
先日のバイオ医薬EXPOのときに資料を作っていたのでアップしてみました。
本件特許の実施例には効果が未来形で書かれていたのですが、後出しの実験データ(乙15)が考慮され、本件特許発明の効果は予測し得たとはいえない(進歩性あり)と判断され、特許は維持されました。
その後、5
10日に審決取消訴訟が提起されています。
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・・・記載要件違反も主張しておくとよかったかもしれないですね。

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