2019年ももう終わりですね。
今年もブログを見てくださった皆様ありがとうございました。
今回は、2019年を振り返ってみたいと思います。
まずは2019年の注目判決から。
■2019年の注目判決
今年は医薬分野の最高裁判決が1件ありました。
・【判決PDF】8月27日:平成30年(行ヒ)第69号 審決取消請求事件
パタノール点眼液0.1%(オロパタジン塩酸塩点眼液)に関する特許で、最高裁は知財高裁の効果の顕著性の判断に誤りがあるとして、破棄差し戻しました。この特許に関しては、訂正で「ヒト結膜肥満細胞安定化剤」という限定が入っていたことから、パテントリンケージの問題もありました。また、判決の考え方に単純に従うとinherentな効果剤が取りやすくなるように思いました。
他に、興味深かった判決は以下の通りです。(日付は判決言渡日)
・3月25日:<ゾニサミドの維持審決取消訴訟> 既存薬と共通のメカニズムを有することが知られていても、作用が同程度である証拠がないため、動機付けられないと判断された事例
・5月29日:<リツキシマブBSの特許侵害訴訟> 請求項1の「最中」を狭く解釈した上で、サポート要件を満たさないと判断した事例
・6月26日:リサイクリング抗体特許の維持審決が取り消された事例
・10月30日:<知財高裁/抗PCSK9抗体の侵害訴訟> 競合特許のサポート要件等が認められた事例
・10月3日:<知財高裁/抗第IXa因子抗体の侵害訴訟> クレームの「凝血促進活性を増大させる」が狭く解釈され、課題解決手段が異なることを理由に技術的範囲に含まれないと判断された事例
・11月14日:<知財高裁/セレコキシブ特許の審取訴訟> 数値範囲全体にわたり、セレコキシブの生物学的利用能が改善されると認識できないとして、サポート要件違反と判断された事例
・12月25日:<知財高裁/ナゾネックス点鼻液特許の審取訴訟> 特許発明の効果の顕著性が認められなかった事例
■2019年の注目バイオトピック
バイオ関係だとこういうのがありました。今年もいろいろありましたね。流行語大賞はモダリティでしょう。
・バイオ医薬品企業のM&A(セルジーン、アレイバイオファーマ、オーデンテス、ザイフォスバイオサイエンシズ、シンソークス等)
・バイオ医薬品の日本承認・発売(キムリア(CAR-T)、コラテジェン(プラスミドDNA)、オンパットロ(siRNA)、ステミラック(間葉系幹細胞))
・ベバシズマブのバイオシミラーの日本承認・発売
・iPS細胞備蓄の支援打ち切り問題
■執筆・講演
昨年に引き続き、PHARM TECH JAPAN(出版社:じほう)で医薬特許調査の連載記事を書きました。毎月10頁程度書いていて、本年7月号(全13回)で無事終了しました。毎回事例を作るのはなかなか大変でしたが、よい経験になりました。
7月には、第3回バイオ医薬EXPOでバイオ医薬特許の講演をしました。
2020年は、2月に東薬工でバイオ医薬品の特許訴訟・無効審判・異議申立関連の講演をする予定です。知財をバリバリやってる方々が受講されるので、できるだけ深い内容を入れられるようにがんばります。
■事務所(SK)のお仕事
今年も適度に仕事をしました。明細書作成、拒絶応答、特許調査、鑑定、コメント、翻訳、審判、訴訟など。
キーボードを変えました。すごく良かったので事務所と自宅の両方ともこれに変えました。浅めが好みの方には合うと思います。
・COUGAR
https://www.amazon.co.jp/dp/B06XT4W861/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_k-XcEbV6H9XZE
そして、事務所のホームページが新しくなりました。本当に手作り感満載のホームページだったので、それはそれで面白いのですが、新しくなってよかったと思います。
■趣味
今年もバスケが楽しい1年でした。今年はオフボールスクリーンの練習を増やしたことで、個人的にもチーム的にも少しは戦略的なプレイができるようになってきました。
NBAでは、ウォリアーズ王朝の時代が終わり、クリッパーズ、レイカーズ、シクサーズ、バックスなどのどこが優勝するか楽しみな2019-2020シーズンが進行しています。個人的にはシクサーズ、サンダー、ペリカンズを応援してます。
Netflixけっこう見ました。一番面白かったのは、SUITSシーズン7ですね。お勧めは、最近配信が始まったHEROESです。
ここ数年ほとんど漫画を読んでなかったのですが、最近ちょっとしたきっかけからいくつか読みました。まず手始めに読んだのはエンジェルハートで、これは5年くらい前まで読んでたのでその続きを読みました。毎回話がよく作り込まれていて、本当に面白いです。完結したのですが、次回作も読もうと思います。
今回初めて読んでよかったのは響という作品です。小説家を主人公とした作品で、なかなか珍しいジャンルだと思います。こちらも完結してしまったので、次回作楽しみにしてます。
■その他今年は実家(鹿児島)に帰らなかったので、来年はどこかで帰りたいなと思います。
■抱負
来年はもうちょっと仕事と勉強をがんばろうかなぁと思います。
ではみなさん良いお年をお迎えください。
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