書籍「先端治療技術の実用化と開発戦略」に核酸医薬特許の論文が掲載されます。

今月末に、私が一部執筆を担当させていただいた書籍が発売されます。
タイトルなどは下記の通りです。

■書籍タイトル
先端治療技術の実用化と開発戦略
(核酸医薬、免疫療法、遺伝子治療、細胞医薬品)
■発売日等
発刊予定日:2017年4月末
体裁:A4判 約470頁
定価:80,000円(税抜)
出版社:(株)技術情報協会
■サイト
出版社ホームページ
PDFデータ
執筆者は70人もいるそうです。
私が担当したのは核酸医薬の特許に関する部分です(第1章11節)。
担当部分の目次と抄録は下記の通りです。
目次・抄録
11節 核酸医薬品に関する特許実務上の留意点
1.基本特許
2.審査基準・審査ハンドブック
3.核酸医薬特許の種類と実務上の留意点
 3-1. 基本構造限定型
 3-2. ターゲット限定型
 3-3. 製品配列限定型
4.審査・拒絶対応事例

現在販売されている医薬品は,低分子医薬や抗体医薬などが主流である。しかし,十分な治療効果が得られていない疾患も多く存在し,新しいメカニズムを有する新薬が求められている。そのような中,核酸医薬は従来の医薬とは異なるメカニズムを有する,次世代の医薬品として期待されている。
核酸医薬で承認に至った製品は世界全体でVitravene®,Macugen®,Kynamro®の3品目と現時点(2016年3月末執筆時点)では少なく,核酸医薬の市場が拡大するかどうかは今後の研究開発にかかっているといえる。
特許出願の観点からみると,製薬会社や大学などから核酸医薬に関する特許(以下,核酸医薬特許という)やDDS(drug delivery system)に関する特許が種々出願,権利化されている。また,筆者が行った調査によると,siRNA,miRNA関連特許の登録件数は近年増加傾向にある。
本稿では,核酸医薬特許の中でもRNAi関連の特許を中心に取り上げ,出願,権利化する上での基本的事項と留意点について解説する。なお,核酸医薬は構造や機能に伴い,アンチセンス,RNAi分子(si/shRNA),miRNA,アプタマーなどに分類されるが,それらはターゲットとなる遺伝子/蛋白質/mRNA(以下,ターゲットという)の発現又は機能を抑制する核酸である点で共通しており,特許戦略もある程度共通すると考えられる。

RNAi関連特許の事例をいくつか紹介しつつ、出願、権利化する上での基本的事項と留意点について解説しています。
過去に知財管理誌で抗体医薬特許とiPS細胞特許の論文を書きましたが、今回はもう少し一般的な書籍なので、知財管理誌ほどは難しすぎず、かといって簡単すぎず、かつネットや過去の論文にない情報を入れるというイメージで書きました。
これを書いたのは昨年の3月だったので、約1年越しの発売となりました。無事発売されてよかったです。
このような機会を与えてくださった関係者の皆さまありがとうございました。
▼関連ページ
「知財管理」6月号にiPS細胞の製法特許の論文が掲載されました。
「知財管理」11月号に抗体特許の論文が掲載されました。

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