先使用権

(ピタバスタチン錠の特許侵害訴訟)4年以上前のサンプル薬の水分含量が本件発明の範囲内であったと推認できないとして先使用権が認められなかった事例

<判決紹介>・平成29年(ネ)第10090号 特許権侵害差止請求控訴事件・平成30年4月4日判決言渡・知的財産高等裁判所第4部 髙部眞規子 山門優 片瀬亮・控訴人:東和薬品株式会社・被控訴人:興和株式会社・特許5190159・発明の名称:医...
手続違背

拒絶理由を通知せずに拒絶審決をしたことが手続違背の違法と判断された事例

<判決紹介>・平成28年(行ケ)第10218号  審決取消請求事件・平成30年1月30日判決言渡・知的財産高等裁判所第1部 清水節 中島基至 岡田慎吾・原告:イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド・被告:特許庁長官...
実施可能要件

特許発明と共通構造を有する化合物に効果を有さないものがあるため実施可能要件違反との主張が認められなかった事例

 <判決紹介>・平成29年(行ケ)第10007号  審決取消請求事件・平成30年1月22日判決言渡  ・知的財産高等裁判所第4部 髙部眞規子 古河謙一 関根澄子・原告:バイエルクロップサイエンス株式会...
結晶特許

結晶特許において、除くクレームへの訂正は認められたが、分割の要件を満たさず進歩性がないと判断された事例

<判決紹介> ・平成28年(行ケ)第10278号  特許取消決定取消請求事件 ・平成30年1月15日判決言渡 ・知的財産高等裁判所第4部 髙部眞規子 山門優 片瀬亮 ・原告:日産化学工業株式会社 ・被告:特許庁長官 ・特許570...
特許ニュース

(バクスアルタ 対 中外製薬)エミシズマブに対する特許侵害訴訟 東京地裁で中外製薬が勝訴

「中外製薬」の新薬エミシズマブに対して「バクスアルタ」が提起した特許侵害訴訟の件で、東京地方裁判所は中外製薬勝訴の判決を言い渡したそうです。ニュースリリースはこちらです。エミシズマブは薬価収載前とのことです。▼エミシズマブに関する特許侵害訴...
バイオメモ

STAP細胞の特許出願の今(2018年2月)

STAP細胞の日本の特許出願(特表2015-516812)に拒絶査定がでたそうです。・日本のSTAP特許出願に拒絶査定 これまでの経過は以下の通りです。 2012/04/24:優先日(米国) 2013/04/24:PCT出願 2014/10...
特許メモ

欧州特許庁の維持年金は高いが、10ヶ国にバリデーションするならそうでもないという話

欧州特許庁への特許出願では日米とは異なり、特許が登録になる前から維持年金費用が発生します。2018年2月時点では、欧州特許庁へ支払う費用は下記の通りです。分割出願にも親出願の出願日を基準として維持年金が発生します。(2020年4月に料金改定...
Enablement

デラウェア地裁のスターク判事、メルクのC型肝炎治療薬特許(597特許)を無効と判断

メルクのC型肝炎治療薬特許侵害訴訟の件で、デラウェア地裁のレオナルド スターク判事が、ギリアドに25億4000万ドルの損害賠償を要求した陪審評決の判断を覆したそうです。・Gilead wins reversal of $2.54 ...
特許ニュース

求人応募時にクレーム作成のレポート提出

パテントサロンに京都大学 iPS細胞研究所 知財グループの求人がでていました。たまにバイオや医薬系企業の求人があるので珍しいことではないのですが、よくよく見てみると、応募時にクレーム作成のレポートを提出することになっていて珍しいなと思いまし...
特許ニュース

レミケード米国特許、CAFCが無効と判断

 CAFC(米国連邦巡回区控訴裁判所)がJ&Jの関節リウマチ薬「レミケード」の米国特許を無効とする判断を下したそうです。・連邦高裁も特許無効の判断 J&J控訴棄却、「レミケード」打撃 ・Johnson & John...
その他

2017年を振り返って。 判決・仕事・講演・趣味など。

2017年ももう終わりですね。今年もブログを見てくださった皆様ありがとうございました。今回は、2017年を振り返ってみたいと思います。まずは2017年の注目判決から。■2017年の注目判決結構インパクトのある判決がでました↓。特に最高裁の方...
薬理データ

(アイセントレス錠の特許侵害訴訟)薬理データがないため実施可能要件/サポート要件違反で無効と判断された事例

<判決紹介>・平成27年(ワ)第23087号 特許権侵害差止等請求事件・平成29年12月6日判決言渡・東京地方裁判所民事第40部 佐藤達文 廣瀬孝 勝又来未子・原告:塩野義製薬株式会社・被告:MSD株式会社・特許5207392・発明の名称:...
実施可能要件

抗原も配列も限定のない改変抗体特許への無効審判で特許が維持された審決例

<審決紹介>・無効2016-800136・審決日:2017年11月22日・合議体:審判長 特許庁審判官 關政立、審判官 渡邉潤也、審判官 田村聖子・請求人:アレクシオン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド・被請求人:中外製薬 ...
医薬メモ

デジタルメディスン「エビリファイ マイサイト」の米国承認と特許

極小センサーが内蔵された医薬品(錠剤)が米国で承認されました。服薬データが自動で記録され、それをスマホで確認できるようです。映画の世界みたいですね。製品は大塚製薬のエビリファイ マイサイトです。エビリファイは統合失調症や双極性障害(躁鬱病)...
顕著な効果

無効審判事件が特許庁と裁判所間で往復することが問題視された事例(パタノール点眼液)

 <判決紹介>・平成29年(行ケ)第10003号 審決取消請求事件・平成29年11月21日判決言渡・知的財産高等裁判所第4部、髙部眞規子、山門優、片瀬亮・原告:X・被告:アルコンリサーチリミテッド、協和発酵キリン株式会社・特許30...
AI

特許業界で今のAIができること

 最近、特許業界でAI(人工知能)がよく話題になっています。先日の特許情報フェアでもAI関連のセミナーやブースがかなり増えていたように思います。一昨日はこんなニュースも報道されていました。・「AIで弁理士が失業」に異議 「そんなに...
特許メモ

弁理士を主人公とした漫画「閃きの番人」

 弁理士会のホームページに弁理士を主人公とした漫画「閃きの番人」がアップされていました。弁理士及び弁理士の業務内容を社会人だけでなく学生も含めて幅広く知ってもらうべく、弁理士を主人公とした漫画「閃きの番人」を弁理士会ホームページ上...
合剤特許

侵害訴訟で合剤特許の進歩性が否定された事例(マキサカルシトール+ベタメタゾン軟膏)

<判決紹介>・平成28年(ワ)第14131号 特許権侵害行為差止請求事件・平成29年9月28日判決言渡・東京地方裁判所民事第47部 沖中康人 矢口俊哉 島田美喜子・原告:レオ ファーマ アクティーゼルスカブ・被告:中外製薬株式会社、マルホ株...
バイオメモ

STAP細胞の特許出願の今(2017年9月)

STAP細胞の特許出願(特表2015-516812)に拒絶理由通知書がでて、その後補正がされたそうです。・日本の「STAP特許出願」拒絶理由にハーバード大が想定外の応答というわけで、審査書類を見てみました。まず、補正前の請求項1は下記のとお...
論文・セミナー

バイオ医薬品の特許調査セミナーを開催しました!

 昨日は、とある製薬会社の団体様からのご依頼で、バイオ医薬品の特許調査セミナーの講演をしてきました。講演タイトル・目次は下記のとおりです。講演時間は2時間40分(休憩15分含む)で、参加者は60数名で、会場はいっぱいでした。前半の...